失われた伝統工法を再現
自然素材の土間のたたきは60~70年前までは使われていた技術です。しかしコンクリートの普及により残念ながら職人の間にも技術の継承はなかったとも思われます。最近、市販の商品も出てきていますが、セメントや樹脂をまぜて似せても似つかないものです。以下、三和土の手順を資料として記します。この素材感を感じていただき、三和土のすばらしさが伝わればと思います。
1.原料
小池赤土 にがり原液
消石灰 微砕石
2.施工手順
にがり5倍希釈の液を作る。
砕石、赤土、にがりを撹拌します。
敷き詰め、均します。
たたき
たまたまs氏の協力で配合方法は見つかったのですが、施工方法はまったくの手探り状態。通常ミキサーなどを使いますが、今回は合えて手作業で行いました。また施工範囲が大きいため誘発目地をつけて施工しました。
大まかなコツですが
■敷き詰め時、全体的に予定厚さより3割ほど多く盛る。
■にがりを入れた後は水を足さず、タタキ棒でたたく、この時に力を入れるより細かく何度もたたく、コンクリートでいうノロが出るまで。そうすると中から水分が表面に出てくる、ここまで来るときれいな三和土に仕上がります。実際に施工する際には作業の慣れや機器の導入によって作業性はかなり良くなってくると思います。
■三和土は外部の仕様は石灰が溶けるため使用はさけたほうがい良いです。
≪作業の内訳≫
作業にかかった日数 3人で2日間
三和土 15㎝厚 25平米
小池赤土 2t車 2台 消石灰 20㎏ 8袋
微砕石 2t車 2台
にがり 18Ⅼ 2缶
配合比 (容積比)
赤土 2 微砕石1 消石灰2/3 にがり1/2
配合比や施工方法は必ず正しいとは言えず各々がこの資料を参考に手法を導き出していただければ幸いです。