私が若いころ担当させていただいた、お客様のお話し、一番最初は弊社の内見会をお越し頂いたことからの始まりでした。30代中頃のご夫婦にプランニングの御依頼を受け、打ち合わせを1,2度している時に、ご夫婦は申し訳なさそうに、実は私には(ご主人)小さいころから体の弱い弟がいて、何かにつけて弟を守ってきたり、相談したり、仲良く過ごしてきた、その弟は今は大手の住宅メーカーの営業をしている、夢工場さんが好きで打ち合わせをしたが、やはり弟のことが気になり向こうで進めようと思うといただいた。私は残念ですが弟さんにめいっぱい、良いものを建ててもらってくださいと諦めたのでした。その後3か月ぐらい経った時に、ご夫婦が訪問され玄関先で建っておられ大きなケーキらしき箱を持って、実はあの後、弟と設計担当者とも打ち合わせを何度もしたのですが、打ち合わせを重ねれば重ねるほど、私たちの望んでいるものと違うと感じました、それで悩んだ挙句、弟にお願いすることは断念しました、その時ご夫婦は大粒の涙を流され、弟という血筋を取るか、お二人が長年、描いていた夢をとるかの苦渋の選択をしたのでした。それで私たちの夢である夢工場さんにもう一度、御願いすることに決めました。弟には今はわかってもらえなくとも長い時間をかけて、兄弟の関係を修復したいし自分たちが本当に建てたいものを建てることで弟もこれなら、しょうがないなと思ってもらえるものを建てたいです。お願いしますと頭を下げておっしゃたのでした。私も突然のことに大したお話も出来ませんでしたが、苦渋の選択をされたお二人が本当に良かったと思っていただけるようにまた弟さんにも恥じないものを作りたいと心から思ったのでした。
今回ふっと思いがよぎって、これだけの想いが家づくりには必要なんですよと伝えたくなり書き綴りましたというお話。