土壁の家の長所、短所 Q&A

土壁の家というと、「今時、土壁の家~」と否定的な方もいらっしゃいます。私も今時と思います、ですが土壁でなくては出来ないこと、現在の工法では無し得えないことがあります、そうでないと土壁の家の意味がありません。またインターネットやSNSで施工経験や住まわれた経験がないにも関わらず間違った情報が飛び交っています。まずその誤解を解くこと、そして土壁の家づくりを迷っていらっしゃる方の判断材料になればと、ここに記したいと思います。

Q.1 土壁の家は寒いですか。

A.1 土壁の家は寒いです。「ここだけ聞くとえっ寒いの、と思いますよね」、そもそも土壁は断熱材ではなく今の建材の様な大きなパネル材を作る技術がなく身近にある土や竹を利用して壁を作った。ですから昔のものを、そのまま現代の人間の暮らしにそのまま当てはめることはできません。当然、現在の土壁工法は全く同じものではありません。

現在の土壁も小舞を組み、荒壁を塗ってゆく作業は同じですが、弊社の場合壁内に断熱材挿入し(通気性の良いポリエステル)、現在の断熱基準(H25年度基準、2020年まですべての家をこの家にすると国交省が決めています。)をクリアしていますので、今の土壁は暖かいです。土壁は多機能な素材ですが、断熱という部分ではその機能はありません、間違った知識で土壁は冬は暖かく夏はひんやりと、という方もいますが、土壁単体で温かくはなりません、土壁は蓄熱性能があります。蓄熱性とは蓄熱暖房と思えば理解しやすく熱が加わることでゆっくりと熱を蓄え室内気温が下がると今度は室内側に放射されます。そのことで蓄熱性と現在の断熱性が加わるとで急激に温度が下がらず温度差のない温かい家が生まれます。

Q.2 土壁は割れ、ひびが入りますか。

A.2 真壁の場合に(柱を見せる工法)柱と壁際の接する部分が隙間があくことがあります、(2~3mmほど)ですから家全体を真壁にする場合はご理解が必要です。ただ壁は後から簡単に補修ができます。現在の新建材と昔の素材の違いは比較的簡単にメンテナンスできること、そのことで長く家を持たせることができることです。実際の所は和室廻りは真壁にすることがあっても居室や特に水回りは大壁にすることがほとんどですので、その意味ではご心配に及ばないと思います。

Q.3 コストが高くなりますか。

現在の仕様に土壁分が単純に足されると考えてよいと思います。延床面積30坪から50坪の家で、おおよそ、100万~150万が目安です。家を建てられる際にはいろんな希望がありカーポートを作りたい、外溝をおしゃれにつくりたい、太陽光発電を取り入れたい、キッチンを良いものをいれたいなど、様々だと思いますが、要するに優先順位の問題かとおもいます。今しか出来ないこと、後々でも出来ること、自分たちでも出来ること、職人でないと出来ないこと、いろいろ見極めることで決して出来ないことではないと思います。

Q.4 いまどき、土壁の家はどうですか。

A.4 弊社の創業は昭和57年、今から34年前にですが、当時ですら施工できる職人は少なかった。今時、土壁をする職人はおるんかと、今時……。34年たった今も同じ。今も昔も価値をもつ方は必ずいる、その技術を守ろうとする職人も必ずいる。今後、将来にわたってなくなるものではないのです。また素材はシンプルなもので、今は田んぼの3年ほど寝かした休耕田の表面を1.5~2mほど掘り起こしその下の土を使う。材料はふんだんにあります。家は自分が本当に建てたい家を建てるべきです、生涯一度のもの予算で決めるべきではない、そのためには建てるべき時期は今でよいのか、どのような努力が必要なのか、何か我慢すべきものはないか、そうして考えると本当に建てたいものを建てれるのではと思います。

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